2月3日(土)に11回目となる「ごみと水を考える集い」を開催しました。
午前中の稲永ビジターセンターおよび名古屋市野鳥観察館におけるエクスカーションには22名、午後からの集いには38団体82名の参加がありました。
今回も本当に多くの方の参加をいただき、嬉しく思っています。
今回のごみと水を考える集いでは、海鳥の研究をされている越智大介さん(日本海鳥グループ幹事)から漁業における混獲や海洋ごみの問題などについてお話を聞いた後、藤前干潟や三重県の海岸、谷津干潟(千葉県習志野市)などにおける釣りごみの問題について現状を共有し、意見交換を行いました。
今回、越智さんがお話されたマグロはえ縄漁業における海鳥の混獲問題については、陸地から遠い海の上で起こっていることなので一般の人が目にする機会がなく、参加者の中にはこのような問題があることを初めて知ったという方も多かったです。また、多くの海鳥や海亀などの生きものが混獲や漁業由来の海洋ごみ(浮き漁礁など)によって命を失っていることに心を痛めたという感想も多く寄せられました。
また、集いの後半の釣りごみ問題の発表と意見交換では、藤前干潟の現状や活動、釣り人による活動、三重県の海岸でみつかったウミガメの事例、そして藤前干潟と同じく谷津干潟の現状についての発表と意見交換を行いました。それぞれの方の熱い想いのこもったお話があり、終了時間がかなり延びてしまいましたが、様々な立場の人からの発表が聞けてよかったという感想をいただいた他、若い人の発表を聞いて心強く感じたという声もありました。
そして、集いの最後には、ごみが生まれない社会創りを目指すアピール7項目を採択しました。
第11回ごみと水を考える集いに参加・協力いただいたみなさん、挨拶・発表いただいたみなさん、誠にありがとうございました。
今後も、藤前干潟および藤前干潟につながる伊勢湾・三河湾などにおけるごみと水に関わる活動が発展していくことを願っています。
集いの呼びかけ団体:土岐川・庄内川源流の森委員会、NPO土岐川・庄内川サポートセンター、22世紀奈佐の浜プロジェクト委員会、NPO法人四日市ウミガメ保存会、藤前干潟クリーン大作戦実行委員会
本取組は、公益財団法人河川財団「河川基金」の助成を受けて実施しました。
【採択したアピール文】
【午前中のエクスカーションの様子】
稲永ビジターセンターおよび名古屋市野鳥観察館で行ったエクスカーションは、22名の方に参加いただきました。主に環境省名古屋自然保護官事務所の河邉健自然保護官と岸晃大自然保護官補佐に藤前干潟の案内をしていただきました。
藤前干潟を紹介する動画視聴をした後、グループに分かれて藤前干潟に関するクイズを解きながら、稲永ビジターセンターの館内見学や名古屋市野鳥観察館における野鳥観察を行いました。
野鳥観察館ではツクシガモやクロツラヘラサギ、ミサゴ、オナガガモなどを観察できました。
【午後の集いの様子】
集いの会場となった藤前会館。
午後からの集いには38団体82名もの多くの方に参加いただくことができ、昨年に引き続き盛況でした。
今回の集いの司会は中部大学NPO・ボランティアセンターの田中康平さん、早川裕貴さんにお願いしました。
集いの初めに、集いの呼び掛け団体を代表して藤前干潟クリーン大作戦実行委員会の坂野一博実行委員長から挨拶をしました。
その後、5人の来賓の方々から挨拶をいただきました。
名古屋市会 吉田茂市会議員
国土交通省庄内川河川事務所 奧中智行所長
環境省中部地方環境事務所 野村環次長
来愛知県尾張建設事務所 維持管理課課 吉金典晃課長の代理として松長洋氏
名古屋市環境局環境企画課 斎藤牧主幹
集いの前半の講演では「漁業における問題~混獲と海洋ごみ~」と題して日本海鳥グループの越智大介氏にからお話を聞き、まぐろはえ縄漁における混獲問題やその対策、漁業から出る海洋ごみの問題などについて学びました。
→講演でも紹介した混獲についてわかりやすく解説したまんがなどの資料を「一般社団法人自然資源保全協会」のウェブサイトの発行資料一覧からみることができます。
講演の進行はNPO法人藤前干潟を守る会の間部裕子氏にしていただきました。
集いの後半は、釣りごみ問題について発表と意見交換をしました。
進行は環境省名古屋自然保護官事務所の河邉健自然保護官にお願いしました。
最初に藤前干潟の釣りごみの現状とそれに対する活動についてNPO法人藤前干潟を守る会の間部裕子氏からお話しました。
さらに、藤前干潟で回収される釣りごみの詳細等をNPO法人藤前干潟を守る会で活躍する高校生の加藤翔太氏が紹介しました。
釣り人が清掃活動を行うグループである「WATERSIDE CONTOROL」の伊藤正博氏からは、昔より釣り人のマナーやごみに対する意識は高くなっていることや清掃活動を始めたときの思いなどをお話いただきました。
伊藤氏はこのような場に釣り人代表として出ることを最後まで迷われていましたが、依頼に応えて発表いただきました。感謝申し上げます。
ウミガメネットワーク三重の米川弥寿代氏から三重県の海岸でみつかったウミガメの遺体の消化管の中から釣り糸(漁で使われたもの)がみつかった事例などを紹介いただきました。
藤前干潟と同じラムサール条約登録湿地である谷津干潟(千葉県習志野市)で谷津干潟ユースプロジェクトの議長として活躍している高校生の岩崎結芽氏に、谷津干潟におけるユースプロジェクトの活動や釣り規制や釣りごみについて思っていることなどについて発表していただきました。
今回の発表にあたっては、事前にユースプロジェクトのメンバーで釣りや釣りごみについて話し合ってくださったそうです。
発表の最後に他湿地の釣り規制の事例を河邉保護官に紹介していただいた他、越智氏に発表をまとめていただきました。
越智氏の言葉である「釣りを悪として完全に規制するというよりは、譲り合えるところを目指す「ソフトランディング」が大事ではないか」が印象に残ったという感想を多くいただきました。
集いの最後として、ごみが生まれない社会創りを目指すアピール7項目を採択しました。
提案をしてくださったのは、中部大学ボランティア・NPOセンターで活動する大学生の方です。
最後の閉会の挨拶を22世紀奈佐の浜プロジェクト委員会 千葉賢副委員長からいただき、集いは無事終了しました。
【参加団体(※抜けている団体等ありましたらご連絡ください。)】
<教育機関・企業・市民団体等>
四日市大学環境情報学部、愛知県立大学野鳥サークルとりとり隊、愛知県立惟信高等学校、中部大学NPO・ボランティアセンター、南陽学区青パト防犯パトロール隊、港鯱城会、北鯱城会、瑞穂鯱城会、鯱城・堀川と生活を考える会、日本海鳥グループ、谷津干潟ユースプロジェクト、WATERSIDE CONTROL、一般財団法人みなと総合研究財団、 NPO法人伊勢湾フォーラム、松並木つくり隊、サラヤエスビーエス株式会社、株式会社地域環境計画、SAVE the Ocean株式会社、NPO法人四日市ウミガメ保存会、ウミガメネットワーク三重、22世紀奈佐の浜プロジェクト委員会、、NPO法人土岐川・庄内川サポートセンター、萌木舎、土岐川・庄内川流域ネットワーク、土岐川・庄内川源流の森委員会、名古屋市野鳥観察館(東海・稲永ネットワーク)、NPO法人藤前干潟を守る会、藤前干潟クリーン大作戦実行委員会
<行政・公的機関等>
名古屋市会、愛知県尾張建設事務所、愛知県資源循環推進課、三重県環境生活部大気・水環境課、名古屋市環境局環境企画課、環境省中部地方環境事務所、環境省中部地方環境事務所名古屋自然保護官事務所、国土交通省中部地方整備局庄内川河川事務所、名古屋港管理組合港営部港営課、名古屋港管理組合企画調整室
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