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藤前干潟クリーン大作戦実行委員会の紹介(2023年9月更新)

1.藤前干潟クリーン大作戦とは

 「藤前干潟クリーン大作戦」は、ラムサール条約登録湿地である「藤前干潟」周辺のごみを清掃する活動です。

 

 名古屋市港区と飛島村にある「藤前干潟」は、土岐・庄内川と新川、日光川の河口に広がる干潟で、上下流より多くのごみが流れ、漂着します。 そこで、私たち藤前干潟クリーン大作戦実行委員会は2004年秋より、春と秋の年2回の清掃活動「藤前干潟クリーン大作戦」を行ってきています。

   

 また、伊勢湾の最奥部にある藤前干潟でごみを拾うことは、伊勢湾へ、そしてさらにその先の海へ流れ出る海ごみを減らすことにもつながります。そのため、私たちは藤前干潟クリーン大作戦を「伊勢湾ごみ流出防衛最前線」と位置付けてもいます。

  

 この活動は、藤前干潟やその流域に暮らしている地域の住民の方や市民団体、教育機関、学生、研究者、企業、行政など多くの方々の協力、参加があってなりたっています。そして、今後も多くの協力、参加をいただき、活動を未来へつないでいきたいと考えています。 

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2.藤前干潟クリーン大作戦の始まりと3つの活動目的

 土岐・庄内川、新川、日光川の河口にある藤前干潟(名古屋市港区、飛島村)は日本有数の渡り鳥の飛来地で、干潟には魚やカニ、貝などの多くの生きものが生息しています。

 

 1980年代にこの藤前干潟(当時は西1区と呼ばれていた)を名古屋市のごみ処分場として埋め立てる計画ができましたが、これに対して市民が反対運動を起こしました。多くの生きものが生息し、こどもたちが自然と触れ合うことのできる藤前干潟を、自分たちの出すごみで埋め立てたくないという思いからでした。その後の長年の反対運動が実り、1999年に名古屋市はごみ埋め立てを断念、続いて2002年11月に国設鳥獣保護区の指定とともにラムサール条約の登録湿地となりました。こうして日本有数の渡り鳥の飛来地である藤前干潟は保全され、生命のつながりと私たちの暮らしのあり方を教えてくれる貴重な場所となったのです。

 

 しかしながら、ラムサール条約登録当時の藤前干潟とその周辺護岸は、川の上流から流れてきたペットボトルやビニール袋などの石油原料のごみに覆われており、流域住民の良識が問われかねない状況にありました。

 

 このような状況を改善するため、2004年10月に以下の3つの目標を掲げて「藤前干潟クリーン大作戦実行委員会」を結成しました。

  ①ラムサール条約に恥じない藤前干潟にする

  ②子供達が安心して遊べる干潟や川を取り戻す

  ③流域全体のごみや水のことを考えるネットワークを形成する

 

 その後、年2回の藤前干潟の大規模ごみ清掃活動「藤前干潟クリーン大作戦」を行っています。また、藤前干潟の上下流、さらに伊勢湾でつながる団体と連携した活動を進めるとともに、流域一帯で「ごみゼロ」を目指す啓発活動を続けています。

 

3.藤前干潟クリーン大作戦実行委員会の構成

 2004年秋に藤前干潟クリーン大作戦実行委員会は土岐川・庄内川で活動する4市民団体(「NPO法人エコストック実行委員会」、「土岐川・庄内川流域ネットワーク」、「NPO法人藤前干潟を守る会」、「リバーサイドヒーローズ・多治見さかなの会(現在は河川自然環境保全復元団体リバーサイドヒーローズ)」)で発足しました。

 

 その後、活動を広げて構成団体を増やし、現在は以下の15団体で活動しています。

 

<現在の構成団体>

 ○NPO法人 エコストック実行委員会

 ○土岐川・庄内川流域ネットワーク   

 ○NPO法人 藤前干潟を守る会

 ○河川自然環境保全復元団体リバーサイドヒーローズ 

 ○NPO法人 モリゾー・キッコロと環境活動を推進する会 

 ○庄内川川ナビ歩こう会 

 ○IPG(産業廃棄物専門家集団) 

 ○かすがい環境まちづくりパートナーシップ会議 

 ○土岐川・庄内川源流の森委員会 

 ○名古屋市稲永スポーツセンター 

 ○一般社団法人 ClearWaterProject

 ○萌木舎 

 ○中部大学ボランティア・NPOセンター

 ○名古屋市野鳥観察館(東海・稲永ネットワーク)

 ○中部大学上野研究室

 

<構成団体の変遷>

2004年10月 藤前干潟クリーン大作戦実行委員会を4団体で発足

      「NPO法人エコストック実行委員会」、

      「土岐川・庄内川流域ネットワーク」、

      「NPO法人藤前干潟を守る会」、

      「リバーサイドヒーローズ・多治見さかなの会(現在は河川自然環境保全復元団体リバーサイドヒーローズ)」で発足。

2006年春  「NPO法人モリゾー・キッコロと環境活動を推進する会」が加入

2010年春  「庄内川川ナビ歩こう会」が加入

2011年6月  「IPG(産業廃棄物専門家集団)」が加入

2015年春  「かすがい環境まちづくりパートナーシップ会議」、

       「土岐川・庄内川源流森の健康診断実行委員会(現在は土岐川・庄内川源流の森委員会)」、

                        「名古屋市稲永スポーツセンター」、

                        「なごや舞祭衆」、

                        「一般社団法人ClearWaterProject」、

                        「萌木舎」、

                        「中部大学ボランティア・NPOセンター」が加入

2016年4月 「名古屋野鳥観察館(東海・稲永ネットワーク)」が加入

2017年3月 「愛地クリーンプロジェクト」、

                      「中部大学上野研究室」が加入

2019年3月 「愛地クリーンプロジェクト」が退会

2019年6月 「なごや舞祭衆」が退会し、現在は15団体で活動。

 

4.藤前干潟クリーン大作戦実行委員会のこれまでの活動・取組み

 藤前干潟クリーン大作戦実行委員会の最も大きな活動である年2回実施の大規模清掃活動「藤前干潟クリーン大作戦」については、2023年度春までに38回を企画し、雨天や新型コロナウイルス感染症感染拡大防止による中止はありましたが、延べ44,073人の参加があり、収集したごみは45Lごみ袋で延べ53,301袋におよんでいます。

 この他、土岐・庄内川や伊勢湾の上下流におけるごみ清掃活動に参加したり、「ごみと水を考える集い」を開催したりするなど、上下流域との交流を図り、流域全体のごみや水のことを考えるネットワークの形成に貢献してきました。

 

 これまでの活動・取組みについての詳細は以下をご覧ください。

今後も藤前干潟クリーン大作戦実行委員会の活動に協力いただきますようお願いいたします。